― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2017年 8月号 プレイングマネージャー

7月26日に文化のまちづくりセミナー第2回「アートとまちづくり」が開催された。講師に札幌市立大学理事長・学長の蓮見孝氏を招聘し、ご自身が茨城県で取り組んだ地域振興及びデザインによる地域活性化の講演が行われた。

最近はデザインの地域振興に果たす役割が評価され、観光とともにデザインの社会的可能性が取り上げられる機会が多くなっており、デザインの専門家によるまちづくりは興味深い講演であった。

プレイングマネージャーという言葉があるが、もともとはスポーツの世界で選手兼監督に使用され、それが企業において部下の育成・指導を行うマネージャーとしての役割と、実務を担当するプレイヤーを兼ね備えた人材のことを言うようになった。

プレイヤーは個人目標であり、マネージャーは組織目標とされているが、プレイングマネージャーは、プレイヤーとして優秀で専門的能力が必要とされ、芸術の世界でもプレイングマネージャーを実践している方は多く存在している。

今回の講師を務めた蓮見氏は、デザイナーとして活躍の傍ら地域振興のマネジメントを行う有能なプレイングマネージャーである。

さて、2001年「文化芸術振興基本法」が制定されて10数年が経過し、社会の変化に対応するため基本法の一部を改正する法律案」が提案され、「文化芸術基本法(2017年6月23日施行)」に改められた。

改正は、食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことがきっかけで見直しがはじまり、新たに文化芸術団体の役割が新設され、国は文化芸術団体が行う文化芸術活動の支援その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならないと明文化したものである。

また、芸術の振興としての支援が「公演、展示等」に限定されてきたものが、「芸術の制作等に係る物品の保存、芸術に係る知識及び技能の継承」等への対象が拡大したことも大きな改正となっている。

そして、基本理念としての文化芸術の範囲を広げて、観光、まちづくり、国際交流などの各関連分野における施策との有機的な連携が図られ、必要な施策の例示に「物品の保存」、「展示」、「知識 及び技能の継承」、「芸術祭の開催」などへの支援を追加したことも注目したい。

「文化芸術振興基本法」制定の折に「文化芸術」か「芸術文化」について議論があったが、いまや「文化芸術」が受け入れられている。ただ「工芸」の位置づけが曖昧であったが、最近では海外でクラフトと翻訳されてしまうためファインアートとして認識されない工芸を、日本独自のファインアートとして国内外に発信する動きもあり、法律改正により工芸分野の発展が期待できそうである。