― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2017年 1月号 名古屋市の拠点文化施設について考えよう

新年になり1月7日に名古屋都市センターホールにおいて「名古屋市の拠点文化施設について考えよう」という、有識者や利用者による意見交換をする懇談会が開催され委員として出席した。

第1回は年末に「まちづくりの視点から」議論が行われ、第2回目の今回は「大・中規模ホール施設に必要な機能」として、名古屋市において、拠点文化施設となる市民会館を始めとした大・中規模ホール施設にはどのような機能を持たせることが必要かについて意見を述べた。

平成24年名古屋市市民経済局長あて「文化施設のあり方検討委員会(清水裕之委員長)」では、名古屋市民会館の機能について「鑑賞型施設」を目指すとされた提言がされており、私の考えも名古屋市における文化施設機能について市民会館は鑑賞型施設とする意見である。すでに名古屋市内16区に15の文化小劇場が設置され、市民に身近な文化活動の場が確保され、芸術創造センターや青少年文化センターと合わせ創造発信型施設として機能していると考えられるからである。

昭和47(1972)年に名古屋市民会館が全国一の座席数を誇る施設として開館してから、平成元年金山総合駅が整備され、11年にホテルグランコートや都市センター、そしてボストン美術館が建設された。17年に商業施設であるアスナル金山がオープンし現在の賑わいを実現している。これらのことから、市民会館の設置によりまちが発展し、金山地区が名古屋市の副都心として位置づけられたことがうかがえる。

今回の懇談会開催にあたり、事務局が事前アンケート調査(日本特殊陶業市民会館、名古屋市芸術創造センター、名古屋市青少年文化センターのいずれかを利用したことのあるもの)を行ったところ、鑑賞を目的とする来館は音楽分野が圧倒的に多い中、利用団体としての種別として洋舞、日本舞踊・新舞踊が5割を超える回答となり、名古屋市の特徴である伝統的芸能の層の厚さにつながる舞台芸術分野が多いことが分かった。

名古屋市民会館が開館して45年が経ち名古屋市の新たな拠点文化施設として立地を踏まえた施設機能としては、日本の文化芸術と西洋文化芸術の実演を可能とする鑑賞型多目的ホール(舞台芸術専用施設であると同時に多様な利用に対応可能)として設置することが必要である。

内部機能としては、余裕を持った舞台の広さ、音響・照明設備の配置、楽屋機能の充実が望まれる。そして地域や全国の情報を手にすることのできる情報センターや、低料金で飲食が可能なカフェーレストランが集客機能として必要と考えられる。

まちづくりの視点からは、金山地区のシンボルとしての要素と、専門領域の能力向上に役立つ全国に先駆けた新しい文化施設運営を実現することが望まれる。