― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

ゆめたろうプラザ

2014年 11月号 多彩な会館事業

今年は武豊町制60周年ということで町民会館を会場として多くの行事が実施された。11月に入り第15回文化協会の文化祭が2日間本館施設全体を会場として実施され、第30回となる産業まつりも本館を会場として盛大に実施された。

文化施設としての武豊町民会館ゆめたろうプラザは、通常の鑑賞事業のほか地域の各種行事にも活用されるようになり、ホールとしての役割に加え地域住民が気軽に集う催事に利用されるようになっている。

平成25年度の町民会館利用は、会館自主事業を含む町教育委員会によるものが8.8%、事業委託をしているNPOたけとよが6.6%、そして私的団体・個人が66.3%で、他の公共団体として社会教育、社会福祉関係団体による利用が18.2%となっている。

本館は、基本的な会館運営について自治体関係利用を一定の割合に止め、地域の私的団体・個人の利用を妨げないよう抑制的に運営してきたがその方針が実現されている。今年度の会館施設全体の稼働率が77.9%で、2つのホールを合わせた平均稼働率が83%となり限界に近くなっている。

あらためてゆめたろうプラザの存在意義を考えるとき、「劇場、音楽堂の活性化に関する法律(劇場法)」制定の趣旨を踏まえた運営が大切である。劇場法は文化芸術振興基本法の基本理念に基づき、劇場・音楽堂・文化ホールなどの機能を活性化し、音楽・舞踊・演劇・伝統芸能・演芸の水準の向上と振興を図るために制定された。

地方自治体が設置した文化ホールは、住民の福祉の増進と文化芸術の振興を目的として設置されたが、劇場法では文化芸術を継承し、創造し発信する場として、人々が集い、人々に感動と希望をもたらし、人々の創造性を育み、共に生きる絆を形成するための地域の文化拠点としての役割を担うこととなっている。

実際は地域ごとに目的を持って運営していくことが望まれるが、各地域における条例等をよく確認し、適切な運営をしていくことが求められる。本館は武豊町直営で事業の一部をNPOが担う形で展開しているが、現在は経営管理業務と事業管理業務の一部、そして施設維持管理業務を町職員が行い、NPOが事業管理の一部である貸館業務、顧客管理業務、広報宣伝業務を行い、舞台技術管理業務を外部委託している。

特に昨年度は鑑賞系文化事業において概ね高評価を得ているが、事業費に対する収入比率が35.2%と大幅に減少しており、改善することが望まれる。事業の入場率は全体で83%であることを考慮すれば、料金設定が安価に設定していることが理由として上げられるが、料金設定のバランスを取りながら、事業の充実を図る取り組みが急務であり、特に企画・制作、広報、そして営業機能の拡充が求められる。