2月号 あいちの文化活動
立春を迎えたが、今年は全国的に厳しい寒さが続き、特に北日本や日本海側で大雪が続いている。また、数年ぶりにインフルエンザが大流行しているため、多数の人々が集まる劇場・ホールにとって鑑賞者に影響があるのでは、と心配な状況となっている。
そのような中、会館では創造集団である武豊町民劇団TAKE TO YOUやSwingBand TAKETOYOの定期公演に加え、初めてとなる「長唄によるレクチャーコンサート」や、NPOたけとよ謝恩事業として「JAZZの森-ジブリジャズ-&ゆめホタル」が予定されている。
町民劇団やスイングバンドは、文化芸術による創造のまち支援事業により育成されてきたが、それぞれ活動が自主的に行なわれるようになり運営が安定してきている。今年の町民劇団の最終公演日の朝には、NHKテレビで前日の公演を含めた活動の紹介があり、社会的に評価がされたものと理解している。スイングバンドは3月に公演が予定されており、私も団体設立の一員としてメンバーと一緒に演奏をさせていただくことになっている。
2団体とも自立した活動が定着し、より幅広い町民の要望に応えるため、第3の創造集団の育成を検討することも必要となってきたと考えられる。
今月は公立文化施設に関係のある世界劇場会議国際フォーラム2012「日本に公共劇場はあるか?」が開催された。1993年から活動するNPOであるが、今年は震災からの復興、公共劇場運営のあり方と方向性についてセッションが行なわれた。
この時期、県内芸術系大学の卒業展覧会が始まり、名古屋造形大学の卒展を鑑賞してきた。これから名古屋芸術大学、そして愛知県立芸術大学の卒業作品展が大学院修了作品も含めて展開される。同時に音楽系大学の卒業演奏会も実施されることになっている。
あいちトリエンナーレ2013の準備が本格化しているが、2010の会場であった名古屋市伏見にある長者町のビルを利用し、あいちトリエンナーレ2013の情報提供や若手アーティストの作品制作と発表の場を提供する取り組みもスタートする。現代アートの情報を街なかから発信するため、芸術系3大学が一定期間施設を借りて作品の展示を行なうことが決まった。
先日、愛知県下の国公私立大学49大学が参加する愛知学長懇話会があった。会員相互の親睦を図り、愛知の文化発展の基礎エネルギーを蓄積し、発信することを目的として組織されて1993年から会合を重ねてきた会である。今回は特別会員の大村愛知県知事と河村名古屋市長が出席し「若者にとって魅力ある地域づくりに向けて」をテーマに意見交換した。終了後、県内芸術系4大学の学長で意見交換をし、共同で何らかの目的に沿った活動や共通の目標に向かって活動してゆくため、今後緩やかなコンソーシアムを組織することで合意した。