11月号 芸術の秋到来
館長 竹本義明
町民会館事業
武豊町民文化祭が11月2日から4日までの3日間にわたって開催され、1,000点を超える作品の展示があり、多くの町民が会館を訪れ創作と鑑賞活動が連動し、ホールが地域文化に果たす役割を認識した。第2次文化創造集団(音楽)「Swing Band TAKETOYO」は、8日初めての練習がありシニアからジュニアの幅広い世代による活動がスタートした。11日は人形劇(ゆめプラファミリー人形劇)が行われ、子どもたちに大変好評であった。
また、8日には開館12年目となる新潟県魚沼市にある小出郷文化会館の櫻井俊幸館長をお迎えし文化のまちづくりセミナー「未来を担う町民会館?小出郷文化会館に学ぶ-」が開催された。櫻井館長によれば、元気なホール運営キーワードは、(1)利用料金が安く時間の融通がきく (2)住民参加型ホール運営 (3)コンセプトを活かした企画を継続的に行っている。とのことであり、本館も小出郷文化会館を目指して運営をして行きたい。
23日から25日までレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた機械のスケッチをもとに、木工作家の神谷長幸さんが木で再現した「ダ・ヴィンチ作品展覧会2007」を見学した。自分でも製作し動かしたい気持ちとなった。24日には海老名香葉子さんを招いて文化講演会「泣いて、笑って、がんばって」が行われた。
公的委員としての活動
6日に長久手町運営委員会に出席し、着実に運営が活性化している印象を受けた。特にギャラリーの活性化と地域との協同による事業の取り組みに積極性が感じられた。一方で町民文化協会の委員より「展覧会のための展示室借用について希望する期間を借りることが出来ないので、善処して欲しい」との意見があった。本館も今後同様な意見が出され対処が必要となることが予想される。14日岩倉市文化振興事業審査委員会があり、五条川沿いの桜並木に発光ダイオードの照明を飾り、商店街とのタイアップで地域の活性化を図るイベントへの事業補助審査を行った。桜へのダメージを心配する意見もあったが補助を実施することとなった。
15日小牧市で愛知県公立文化施設協議会研究会があり、「公立文化ホールの事業運営の活性化」と題して講演を行った。現状の県内公立文化ホールは3つの運営パターンに分けられ、統一型(会館建設計画段階より地域との協働、新しい施設、人口5万人前後、中規模ホール、体験・参加・創造事業)、分散型(街中心に老朽化した多目的ホール、行政範囲拡大に伴い公民館建設、人口10万人~30万人程度の都市、住民との関わりが稀薄)、縮小型(老朽施設、人口10万人前後、事業が停滞)について分析を行い、その改善策として、地域の芸術集団創設、空き施設の有効利用としてレコーディング事業実施、音楽活動の要としての音楽スクール創設、プロ芸術集団とのフランチャイズ制の導入、その他に地域での様々な団体との提携、他館との提携についての提案を行った。
館長便りについて、事業報告的内容は12月までとし、2008年1月以降は会館事業の評価、運営に関わる内容に改めることとする。約1年間の事業内容を把握したので、今後はハード、ソフトの両面にわたって公立文化施設が希望の持てる将来を描ける記述に心掛けたい。