2022年 11月号 「学校アンケートについて」
武豊町民会館ゆめたろうプラザは、平成16(2004)年武豊町の文化・芸術の拠点として設置された施設で今年18年になる。実際の運営は行政(武豊町)とNPO法人が協働で行う全国的に珍しい施設である。
特定非営利活動法人武豊文化創造協会(NPOたけとよ)は、ホールが開館する1年前の平成15(2003)年に設立され、積極的に事業運営に関わってきた。鑑賞事業については毎回アンケートを取り、事業の向上に役立つ取り組みを継続して行っている。
10月に町民会館とNPOたけとよで町内の学校アンケートを実施した。町立小学校4校、町立中学校2校、県立高校1校の生徒を対象とし、小学校は3年生以上で計1,156人から回答があった。
今年度は第3次武豊町文化創造プランの策定と重なり、武豊町の文化創造行政の基本方針である「子ども・若者が豊かな文化の中で育つ環境づくり」、事業方針の「子ども・若者が文化に親しむ機会づくり」のために必要な取り組みであった。
一般的に町内の公立小中学校に対するアンケート依頼はハードルが高いが、武豊町ではゆめたろうプラザを中心とした20年近い町の文化創造行政が認知され、教育委員会や校長会の理解があり実現したと考えている。
今日、アンケート集計を行っている担当者から1枚のアンケート用紙を示された。小学校4年生で、会館には数回来館していてアニメーション映画、絵や写真や彫刻の展示を見聞きし、科学実験教室や工作教室、ロケット製作教室やドローン体験教室への参加を希望している生徒のものである。
アンケートに「どうしてゆめたろうプラザには、いろいろな科学にくわしい人や音楽が上手な人がくるのか」という記述があった。このことは通常ホール施設では鑑賞事業が主役で、体験や製作教室運営を恒常的に実施している施設は少ないことによると考えられる。
ゆめたろうプラザでは、開館当初から「鑑賞事業」と「芸術と科学のハーモニー事業」を二本柱に運営を行ってきた。当時は異質な捉え方をされることもあったが、20年経つと社会では科学と芸術の融合が進み、当たり前に捉えられるようになってきた。そして、生涯学習施設が併設されたことも運営にとってプラスに作用し、全体として特色ある事業が実施されている。
学校教育の場では、新しい教育としてSTEAM教育が注目されていて、5教科の頭文字の組み合わせで科学、技術、工学、数学などの理数系科目と芸術分野の科目を取り入れた実践的な教育方法が広がっている。
学校アウトリーチとともに芸術と科学のハーモニー事業が、子どもたちにとってますます重要な事業となっていると考えている。