― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

ゆめたろうプラザ

2025年 12月号「自衛したい」

籾山 勝人

「自衛」とは、自分の力で自分を守る。

今年に入り各地で熊の被害が増えているが、野生の獣相手に自分の力だけでは守り切れないのが現実である。イノシシやカモシカに遭遇したことがあるが間近で見ると体長の大きさに驚かされる。イノシシやシカが向ってきたらとても自衛できない、ましてや熊だとなおさらである。

11月12日に「陸上自衛隊第10音楽隊ふれあいコンサート㏌たけとよ」が輝きホールであった。守山駐屯地の第10陸上自衛隊所属の楽団で自衛や防災の普及活動で東海北陸6県を中心に演奏会を行っている。武豊町では2年ぶりの開催である。演奏会前に大地震を想定し、隊員、観客、ゆめプラスタッフと避難訓練をおこなった。指導に防災官が立ち会った。

武豊町には直営の防災官がいる。近年は各自治体の防災意識が高まり、防災のプロフェッショナルを置く自治体が増えている。当町も自衛隊出身の防災官を置き、指導を仰いでいる。

単なるコンサートに留まらず、「自衛」「防災」「演奏」「体験」等、いくつかの「遭遇」を盛り込んだ演奏会である。毎回好評で抽選になるのだが、「自衛への遭遇」を望む声は非常に高い。

舞台では設えを演奏者が自ら行う。搬入搬出も自ら行う。楽器車(トラック)の運転も演奏者が自ら行う。すべて自分たちの演奏会は自分たちで行う。これが「自衛」隊スタイル。

「他力本願ならぬ自力本願」。しかし、演奏会も防災も劇場も他者があってこそ活きてくる。コンサートを他者や家族と一緒に楽しむことで無意識に心の安定と健康を意識した「心の自衛」に一役買っていたのであれば本望である。

自衛隊コンサート(指揮者コーナー)
自衛隊コンサート(指揮者コーナー)