2026年 4月号「芸術で開花する1年生」
籾山勝人

桜の便りが届き心華やぐ季節となりました。
入園、入学、入校、入社など前途洋々の旅立ちを迎え、一期一会の出会いを重ね、初心を忘れず心はずむ日々を過ごす時期でもあります。新たな学び舎(場)での生活はいかがでしょうか。
就任1年目の昨年度を振り返ると、武豊町民会館ゆめたろうプラザが主催する数多くの事業に参加し、行政とNPOが協働で対等な立場で運営する日本では唯一の劇場を目の当たりにし体感することができました。さらに町民主体の実行委員会が運営する5つの事業もあり、音楽、演劇、講演会、企画展等の鑑賞事業が34本で10,794人の入場者、参加者にお越しいただきました。また、企業連携や科学をテーマにおこなう芸術と科学のハーモニー事業は7つの事業分野で4,199人の参加があり、合わせて14,993人と多くの町民にご来場いただきました。武豊町民は43,236人(1月現在)なので、3割強の町民が一度は訪れたことになります。もちろん町外の方やリピーターの方もいるので一概に町民参加者数を割り出すことはできませんが、劇場への関心度の指針になります。
先日、県内尾張地方で10年以上関わっているキッズダンスチームのダンス公演に携わり、あらためて「芸術の力」を実感した出来事がありました。
舞台でのソロダンスやアンサンブルには正確さ、同調性、空間認識などが求められます。ストーリー作品では台詞もあり、きっかけなど何度も稽古し本番に備えます。
チームの中に知的障害のある子どもが含まれていて、コミュニケーションが取れるか、皆と群舞ができるか、台詞がきっかけどおりに言えるかなど本番直前まで心配がつきません。しかし、そこは寛容なダンスチームで、大人も子どもも助け合いながら舞台を作りあげています。もちろんスタッフワークも同様に舞台を進めていきます。
障害者イコール芸術に壁があるわけではありません。その子は小学校をこの春に卒業し、中学校にあがるのですが、どこの中学校に行くのかと聞いても答えられません。学校名は答えられないのですが、ダンスの振り付けや台詞は幾度も練習し覚えています。他者とコミュニケーションを取り、観客を楽しませ、感動させる心を持っています。ダンスも台詞も体に染みつき、同調性や空間認識を持ち、「芸術の力」を開花していきます。その瞬間、誰もが感動に包まれ障害という言葉を打ち消します。
ゆめプラは、「芸術の力」を信じて多くの観客が豊かで寛容な人生を送れるように、今年度も魅力ある事業を多彩に企画しました。 スタッフ一同、皆様のご来場をお待ちしております。

