2021年 11月号 「住み続けたい街ランキング」
大東建託が過去最大級の居住満足度調査を行い「いい部屋ネット住み続けたい街ランキング2021<愛知県版>」を発表しました。愛知県に住む20歳以上の男女2万3223人を対象に調査を行った結果、「住み続けたい街(自治体)ランキングに武豊町が選ばれました。
1位は長久手市、2位は名古屋市緑区、3位に武豊町となっています。今回、武豊町が住み続けたい街ランキング(愛知県)で3位になったのは、物価・家賃の因子で高い評価を得ているからです。長久手市は日本一若い街として、住みよさ全国ランキングにおいて上位にランクインし、様々な調査において常に上位になっています。
調査項目の中に、町並みや地域のつながり、歴史と伝統、公共施設の充実度、そして人口増加や再開発など、将来的な街の発展性が含まれています。武豊町は知多半島中央部に位置し、衣浦港周辺に企業が立地し、古くから味噌やたまり醤油を製造する醸造業が盛んで、味噌蔵が点在する町並みが散策を楽しむことが出来ます。南部に丘陵部もあり自然豊かな町として評価されています。
今回のランキングについて、私はアンケート調査だけでは明らかにできない重要な因子があると考えています。それは地域の文化芸術環境が影響していると考えています。文化芸術は生活に潤いを与え、地域社会を活性化する力があります。
愛知県は54市町村ありますが、文化芸術や生涯学習施策に積極的な自治体として14市町があげられます。中でも長久手市や武豊町は鑑賞事業に加え、地域住民参加型の事業を積極的に実施しています。
勝手な意見を言えば、長久手文化の家と武豊町民会館は地域の文化活動の拠点として、舞台公演をはじめ各種イベントや集会など、地域の生涯学習施設としての機能も十分果たしています。いずれも地域に根差した文化芸術活動を展開し、文化芸術を享受できる環境が住み続けたい街として住民に支持されている結果と考えています。
長久手市と武豊町に続く自治体として、春日井市、小牧市、幸田町があげられますが、地勢的な条件から地域住民の運営への参加取り組みに余地があります。しかし、事業自体は2市町を上回る運営をしています。
また、豊田市、東海市、豊橋市、刈谷市などは立派な施設と潤沢な予算で魅力的な事業を実施しているが、住民との関係の在り方に課題があります。そして、岡崎市、知立市、大府市、稲沢市、扶桑町も多くの可能性を持って活動している印象があります。
住み続けたい街にとって、文化芸術を身近に日常的に触れることが出来る環境があることが必要と考えています。以上は正確なデータに基づくものでなく、事業を感性的に捉えた結果です。