― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2月号 特定非営利活動法人(NPO法人)によるホールの活性化について

館長 竹本義明

全国の公立文化施設の建設は、1920年代の集会目的の公会堂建設から始まり、60年代に本格的文化会館建設による多目的ホールの時代を経て、70年代には地方自治体が文化行政の一環として積極的にホール建設を行ってきた経緯がある。80年代には専用ホールの必要性が叫ばれる中、90年代以降専用ホールを備えた大型の複合施設が建設され、2000年代からは中規模ホールが好んで建設されるようになった。いわゆる箱物行政が一通り全国に行き渡り、施設の運営は自治体の直轄か外郭団体(施設管理公社あるいは文化財団)が一般的であったが、最近は運営のあり方に関心と期待が持たれるようになってきた。公立文化施設(ホール)は、管理から運営の時代になったと言われるが、現状は指定管理者制度の導入もあり、費用削減だけが先行し不十分な管理・運営が行われている。

公立文化施設の運営の在り方が大きく変化する中で、事業をマネジメントで活性化しようとする動きもあるが、地方自治体の厳しい財政状況により、期待するような結果が得られていない。一方で、この10年以内に建設された公立文化施設(ホール)においては、建設計画段階より地域住民が中心となって、施設の利用に積極的に参加し、完成後も運営に参画している例がある。いわゆるNPO法人組織での参加である。本館も開館当初より「武豊文化創造協会」が鑑賞事業や芸術と科学のハーモニー事業、そして会館管理運営受託事業に参画をして効果を上げている一つである。現在、日本全国のNPO法人認証件数は33,124件(愛知県では1,062件)その中で学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動を主な活動としている団体は、10,552件で全体の32%(各団体が複数の活動を行っているため)となっている。

NPO先進国であるアメリカは、163万団体が活動を行っているが、その活動分野は、保健・医療または福祉の増進を図る活動を目的とする団体が最も多く、次いで社会教育の推進を図る活動、まちづくりの推進を図る活動となっている。本館で活躍するNPO法人は、文化・芸術振興を図る活動を主な目的としているが、このような目的を掲げる団体は年々徐々に増加している。殆どの会館にサポート組織としての友の会的会員組織が存在するが、事業の企画・運営までの関わりが無く、文化ホールの事業を活性化するには責任ある法人体制であるNPO法人が望ましいと考えている。武豊町民会館では、2006年度武豊文化創造協会に年間事業予算の37%、13本の有料鑑賞事業のうち4本を委託しており、会館自主事業、実行委員会委託事業と合わせて、事業の3本柱の一翼を担っている。

会館自主事業は、館直営では伝統芸能や演劇、舞踊分野を重点的に、実行委員会は音楽分野、そしてNPOは児童向け企画に重点を置いた事業を行っている。NPOは、セグメンテーションにより地域の特性を見極め、ターゲティングにより的を絞って、それに強くアピールする具体的ポジショニングを選択し効果を上げている。本館では事業費に占める入場料収入について50%以上を目標としているが、武豊文化創造協会では、委託事業費の50%を実現していて、全体として会館事業の調和の取れた事業運営を実現しホールの活性化に寄与している。