― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

ゆめたろうプラザ

7月号 地域文化ホールのあらたな挑戦

館長 竹本義明

武豊町民会館(ゆめたろうプラザ)では、開館当初から2年に1度音楽祭を開催してきたが、今年度は、3回目ということで「武豊ビエンナーレ2008」として事業計画がスタートしたところである。音楽祭は、実行委員会形式で約20名のメンバーが関わり、企画案は館長が提案し企画運営部会(ジャズ担当、クラシック担当、第九担当)、広報部会を設置し各部会ごとに担当する企画の実施に向けて協議が行われている。

この音楽祭事業は町民会館の文化事業の柱の一つであり3つの性格を持っている。(1)幅広い音楽鑑賞の提供(知多の春の到来を音楽とともに楽しむ機会を広く提供する)(2)参加・交流(住民主体の文化によるまちづくりとして、門戸を開放する。また内外の音楽家との交流を通して、日常生活の文化化を図る。)(3)地域発信(武豊町を周辺自治体そして全国の人々に知っていただくことは住民の自覚を高め、結果として町輿しにつながる。)としている。

開館4年目となる今年は、より地域に溶け込む会館としての企画を念頭に、有料入場者3,000人(町民総人口の7.2%)を目標とし、年間の有料鑑賞事業の入場者総数8,000人を目指している。全国の公立文化ホールが、いずれも事業の縮小により運営が低迷している中、あらためてホールの存在意義を問い、本館が掲げる文化事業の3つの柱を実現する内容とする。

武豊町は、いわゆる国や都道府県、そして政令指定都市の実施する文化事業と比較すると、ささやかな事業運営でしかないが、自治体の規模に相応しい住民の芸術鑑賞ニーズに合った事業の実施で、地域アイデンティティーを確立することが急務であると考えている。

春の音楽祭は、総予算1,100万円となる大事業となるが、3日間で20公演を予定しており、いずれも低料金で実施することとなる。会館の事業遂行の力量が問われ、困難な運営が予想されるが、地域文化ホールの事業運営のモデルケースとして、産業商工会にも協力を仰ぎ、文化ホールが将来にわたって発展できるよう、多くの住民の参加を得て成功させたいと考えている。今回の第3回目の音楽祭の次は「知多ペニンシュラ(3方位が海や水に囲まれている地域)音楽祭」を計画したい。知多半島5市5町で人口が60万人、これらの市町が連携することで、知多半島の文化・芸術や観光を活性化できるのではないか。すでに館長になって知り合った多くの方々に、この考えに理解と賛意をいただいている。

地域ホールのあらたな挑戦とは、町民会館の設置目的を再確認し、その運営について町民の創造活動のサポート、自主事業重視の運営に力を注ぐことが極めて重要であり、結果として町民交流スペースとしての役割を担う施設となることである。