― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

ゆめたろうプラザ

11月号

毎年11月は事業の多い月である。文化協会による「町民文化祭」が3日間、本館を会場として行なわれ、町民が制作した意欲的な作品の数々を鑑賞した。中旬には産業祭が行なわれ町内で生産される品物を求めて多くの町民が会場であるゆめたろうプラザを訪れた。昨年から実施された6回シリーズ「ゆめプラサロンコンサート2010」の最終公演が成功した。町主催公演である映画上映会や文化講演会も行なわれ、NPOの委託事業で実施されるポピュラー系事業は、財津和夫公演が予定されすでにチケットが完売である。

私自身、今月は「日本音楽マネジメント学会第3回研究会」に出席した。当日文化庁小松弥生文化部長により、文化審議会文化政策部会における「第三次文化芸術振興基本方針」の審議状況と、文化庁の平成23年度の舞台芸術関係予算要求の概要についての特別講演があった。講演は大変興味深く、特に文化行政の理念・目的についてあらためて考えさせられることとなった。

これに関連しては、月初めに文化庁職員が名古屋芸術大学を訪問し懇談をさせていただいたが、文化庁が抱える以下の事に質問が及んだ。劇場法、指定管理者制度、また、芸術文化振興基金と日本版アーツカウンシルの問題、そして芸術団体への補助制度と芸術や施設の評価のあり方である。これらは、我々文化芸術に関わる者にとって大きな影響のある問題であり、今まで以上に現場の意見が反映されるよう取り組む必要性を感じている。

今月27日、28日には、アートマネジメント学会第12回全国大会が中部部会担当で、名古屋芸術大学を会場として行なわれる。そこでは、県内の3芸術大学の学長による記念座談会があり「芸術大学の社会的使命~芸術評価の実現性と課題~」について、愛知県芸術大学磯見輝夫学長、名古屋造形大学高北幸矢学長、そして私名古屋芸術大学学長が名古屋芸術大学山田純教授のコーディネーターで実施する予定である。また、ラウンドテーブル緊急討議として「どうする?どうなる?劇場法!」を行なうこととなっている。

今や大学や文化・芸術を取り巻く環境は大変厳しい状況にあり、あらためて評価の問題が取り上げられることが増えている。大学評価は2004年に第三者評価機関による大学認証評価の法制化・義務化に伴い自己点検・自己評価が実施されるようになった。大学は評価基準を決め相互評価により評価を実施しているが、一方で公立文化施設や芸術創造団体の評価についての検討が始まったばかりである。

文化芸術については評価を数値化することが出来ず、審査や評価の決定に理解を得る事が大変困難である。私としては、公立文化施設や公的補助を受けている芸術団体にとって、評価に対する抵抗が強いことも認識しているが、限定した期限内で特定の組織、個人に評価を委ねる方法が最も相応しいと考えている。