4月号 館長便りの今後について
館長 竹本義明
武豊町民会館(ゆめたろうプラザ)の館長を務め、毎月館長便りを執筆し、3年経って一つの区切りと考え平成22年3月で終了することとした。幸いにも出版社と縁があって3年間の館長便りを一冊の本にすることができ、実践アートマネジメント「地域公共ホールの活性術」としてレイラインから出版することができた。アートマネジメントの現場である文化施設におけるマネジメントの視点に重点を置いた内容で、実際の実務に役立つ記述も資料として載せた。
大学でアートマネジメントの授業を行なってきたが、現在出版されている教材に使用する書籍は、アートマネジメントの歴史、文化と経済、そして文化政策などを講義形式に対応する知識を深めるものが殆どで、実際のマネジメントを演習形式で指導できる実践に対応するものが少ないため授業の展開に苦労してきた。今回、武豊町民会館で経験したマネジメントをまとめることで、学生や一般の方にも理解できる内容が実現できたと考えている。
本館では住民による事業運営への参画として、ゆめぷらスタッフが活動し、フロント、広報、ステージの各業務を、定期的に必要な講座を設けるなど資質向上に努めながら担っている。しかし、新人への業務指導や対応に口頭だけでなく知識として伝える必要があることから、この本が役立つものと期待している。実際にはそれぞれの事業場面において、スタッフが臨機応変に対応できることが盛り込まれている。
また、私自身、「小牧アートマネジメント講座」や「あいちトリエンナーレ2010」に向けた一般市民を対象としたマネジメント講座を実施してきたが、講座開催にあたっては現場で活躍するためのノウハウが少なく、知識も不十分という印象を強く受けた。市民がボランティアで芸術マネジメントに関わりたいという要望は多く聞かれ、そのような方が容易に知識を吸収し実践で活躍できる要約した手引きとして活用していただきたい。
今後、館長便りは不定期で掲載することとなりますが、会館の事業、業務を遂行する中で是非取り上げたい事項があれば執筆したいと考えています。そして、こちらからの一方通行でなく地域公共ホール、芸術マネジメントに対するご意見やご質問があれば、そのことを取り上げ館長便りとしてホームページに載せられればと考えています。メールでの連絡をお待ちしています。
平成22年4月吉日
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