― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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11月号

平成23年度事業が後半に差し掛かる中、平成24年度予算要求があり、その最中に運営委員会を行なった。運営委員会は年2回開催することとなっているが、今年度1回目となる運営委員会は、平成22年度事業実績報告及び23年度事業の中間報告を行った。

運営委員からは、事業実施報告に概ね良い評価を頂き、中でも地域公共ホールとしての規模を上まわる活発な事業運営に評価が集中した。引き続き自信を持って事業運営にあたることができる励ましの言葉を頂いたと思っている。

さて、「文化芸術への助成に係る新たな仕組みに関するワーキンググループ」の審議が9月29日に始まったが、芸術文化振興基金が創設され20年が経ち、社会状況の変化もあり、新たな仕組みがどのように構築されるのか期待を持っている。それに関連して22年12月から検討してきた「劇場・音楽堂の制度的な在り方に関する検討会」の中間まとめを11月15日に出したが、その内容は、全国に2,200を超える公立文化施設・ホールにどのような影響があるのか、見当がつかない内容となっている。

大変乱暴な物言いとなるが、国が行なっている文化・芸術の振興施策や方針は、あくまでも建物を中心に据えており、そこで活動する実演家や芸術の享受者の視点が蔑ろにされたものとなっている印象を強く持っている。

いわゆる西洋文化として日本に定着した文化・芸術分野では、評価が様々であり信頼できるデータが得られない中で、国が特定の団体や分野に特別に支援をすることの社会的合意が無いことが原因と考えられる。それは、国民の側にも大きな責任があって、文化・芸術の自由で創造性に富んだ特徴を許容する文化が出来ていないのが問題と考えている。

国には、施設・ホールと実演家、そして補助金の一体的運用が図れるシステムのモデルを早急に示していただきたいと考えている。

武豊町民会館としては、会館設立の理念や目的に沿って、地域の文化・芸術の向上のため、引き続きその使命を果たすことに専念したいと考えている。自治体直営の施設でありながら、管理と事業運営に民間のNPOが従事している全国的にも数少ない運営形態をとり、地域住民の満足度と評価は高いと言える。

現在、公立文化施設の半数以上が指定管理制度を導入しているが、制度を継続して適用することを考えている自治体は、指定管理は施設管理に特化して、本来の目的である事業実施、運営は民間に委託する方策を強く押し進めることが重要と考えている。現状では単なる貸館として存在するだけで、地方の中小施設の存立理由が揺らいでいる。

新ためて施設の社会貢献と、それぞれの事業運営の質的向上について真剣に考える時期がきていると考えられる。