12月号 知多半島音楽祭が始動
今年も残り少なくなってきたが、2年に1度の音楽祭の実行委員会を始めることが出来た。
第5回目となる2013年開催の音楽祭は、知多半島5市5町で開催することが決まり、その準備のため中心となる武豊春の音楽祭2010の実行委員会に集まって頂いた。
武豊町単独の開催に比べ、5市4町への協力依頼、実行委員や出演者の確保に困難が予想されるが、前回の実行委員の皆さんの地域文化向上への思いにより、協議を前進させることができた。今回もジャズとクラシックによるコンサートの実施となるが、観光や地域の商工会との連携を深め実施できればと考えている。
先日、東海旅客鉄道株式会社相談役須田 寛氏の講演を聞く機会があり、その中で興味深い話があり、今回の音楽祭と関連があるので紹介したい。それによると日本の観光産業は50兆円で400万人を雇用し、自動車産業に匹敵する規模であること、そして、観光は交流を促進し新たな文化を生み出す効果があること、第1次産業から第3次産業まで包摂する産業であり、観光を行動文化と位置付けていた。
今回の音楽祭を予定している知多半島は、温泉があり、古い神社仏閣、文化施設や地産地消の食材である農・海産物が豊富で、多くの観光スポットが点在している。そのため、音楽文化と観光文化が連携を強めることで、相乗効果が期待でき素晴らしい音楽祭になると考えている。
音楽祭の演奏も既存の文化ホールに限らず、一定のスペースがある店舗等を会場とし、古い民家など魅力的な空間が提供できるものであれば、全て会場として利用を図りたい。そのような展開が、市民・町民が気軽に音楽に接していただくことに繋がり、音楽文化と観光文化によって知多半島が活性化することを目指すことが出来る。
そして、情報についても一体的な発信が可能となることも大きな成果と成ると考えられる。当然1回だけに止まらず、より発展させて知多半島全域で国際音楽祭を開催することが夢である。全国で開催されている音楽祭と称するものは、有名な演奏家、団体を招聘し鑑賞事業としての意味合いが強くなっているが、今や市民の意識は、鑑賞とともに自らが参加し、様々な交流を期待している。
聴衆となり、演奏者となることも出来、希望すればスタッフとして運営に携わることも可能である。それぞれが自主的に役割を果たすことが可能で、地域の活性化に資することが期待できる。知多半島5市5町が共同し、観光産業と連携した音楽祭を開催することが出来れば、地域文化に貢献できる人材の育成にも繋がり、自治体が行なってきた文化施設の建物行政や縦割りの文化行政について、各地域の特徴を生かした新しい発展が望めると考えている。