8月号 「はやぶさ」展示を終えて
8月4日から「はやぶさ」帰還カプセル展示が始まり、1日にはプロジェクトマネージャの川口淳一郎教授による「はやぶさが挑んだ人類初の往復の宇宙飛行、その7年間の歩み」講演会が盛況のうちに終了した。7日の講演では、植松努(植松電気専務取締役、NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター理事)氏による講演「思うは招く」が盛況の内に行なわれた。講演は、植松さんが自らのロケット開発を通じて、夢を持つ事、あきらめない事の大切さを分かりやすく話され大変好評であった。
4日から7日まで4日間の帰還カプセル展示に、延べ1万4千人の方が会館を訪れ見学された。1回の見学は60人とし説明も含め15分刻みで行ない、時間帯によっては70人、80人で臨機応変に対応し、午後5時以降は9時まで説明を伴わない自由見学としたことが功を奏し、特に大きな混乱もなく終了した。
武豊町では、単なるカプセル展示に止まらず公共文化施設の利点を生かし、展示部門ではカプセル展示の他、パネルや実物大模型、超合金模型、日油展示(SRBカットモデル)、愛知工科大学関係資料、JAXAパネルとDVDが展示された。そして、模型は延べ320名を超える人数で制作し、川口教授による講演会終了後輝きホールの舞台上に展示され、照明に映えて素晴らしいお披露目となった。また、当日の夕方にNHKテレビ番組「ほっとイブニング」で制作スタッフとともに模型が紹介され、展示を担ったスタッフにとって大きな励みになった。
鑑賞部門は、映画上映「HAYABUSA-BACK TO THE EARTH」、プラネタリウムの他、本館の講座や教室で活躍した方が講談「はやぶさ物語」、紙芝居「はやぶさ物語」を実施した。また、日本モンキーパーク提供による紙芝居「宇宙へ飛び立ったリスザル物語」も好評であった。これらは、「はやぶさ」帰還カプセル展示鑑賞待ちの皆さんを前にしたスペースで行なわれ、鑑賞者が退屈することなく待ち時間を過ごすことに効果があり、話術による「はやぶさ」の説明に親しみを持つ人も多かったようである。
ワークショップ部門は、日油による学習体験企画「目指せ ロケット博士!」、はやぶさ天才クイズ、星空観察会があった。その他特別に飲食店を出店し、はやぶさ公式グッズ販売(BCC)、武豊オリジナルお土産販売(はやぶさせんべい、イトカワ饅頭&クッキー、イトカワカレーパン、惑星パン、災害備蓄保存用パン、全6種類の缶バッジ、すっとびストローロケット、書籍販売)が行なわれた。
しかし、何よりも今回のイベントを成功させたのは、多くのボランティアアテンドの存在がある。パネルや各種体験コーナーのアテンド、来場者の誘導、カプセル展示解説員など10を超える担当に精力的に関わって頂き、結果として来館者の満足度が高い行事となったと思っている。