9月号 猛暑と台風
昨年の夏に引き続き今年の夏は大変な猛暑に悩まされた。特に今年は東日本大震災の影響で節電意識の高まりにより、会社や一般家庭においても節電意識が働き、冷房の温度を高く設定するところが多かったので厳しい暑さとなった。
さて、鑑賞事業で年配者の入場が多い公演の場合、冷房の設定温度に対する意見や苦情が多く寄せられることがある。公演を鑑賞している方の中に、冷房が強く寒いと言われる方と、冷房が弱く暑いという、相反する意見があるため職員が冷房装置の温度設定に苦慮している。
人間は同じ温度であっても、湿度が低く風があると体感温度を低く感じるものであるが、区切られた空間で風を入れることや、湿度の調整をすることができず、その上空調の温度設定は操作してすぐに効果が出るまで、一定の時間を要することも事実であるため、苦情を受けてから改善するまでの時間的余裕がないのが実情である。
何よりも、文化施設では演奏や舞台芸術において、音や言葉が鑑賞者に明瞭に伝わる必要があるため、空調設備の運転で生じる音の発生には特に注意をしている。ひざ掛けを用意しているが、夏冬に限らず結構利用される鑑賞者がいる。
また、今月は2つの大型台風が中部地域を直撃し多くの被害が出て、自然の猛威の恐ろしさをあらためて認識したところである。本館では幸いにも大きな被害がなく安心している。現状の武豊町民会館運営マニュアルには、台風等の重大な災害が予想される場合の利用者への対応が整備されていない。実際に警報が発令されるおそれのある場合に、利用者から問い合わせに対応するため、今後は対応マニュアルが必要となる。
会館利用者にとって、気象警報が発令された場合、会館が使用できるのか、鑑賞や利用を予定している方への周知をどうするのか様々な問題が出てくる。使用の変更を行なうべきか、行なうとすればどのようなタイミングが適切なのか、これらはその都度判断をしなくてはならなく、マニュアルを作成してもその時々の状況によって臨機応変に対応する必要がある。
現状では、使用の変更が出された場合、「武豊町民会館の設置及び管理に関する条例施行規則(教委規則第4号)」に従って手続きを行なうこととなる。基本的には大雨警報、洪水警報、暴風警報が発令された場合であっても会館は通常通り開館する。ただし台風接近時に状況によっては閉館することとなる。これが規則に則った対応となる。利用者が使用日の前日までに使用の変更を申し出た場合、全額を還付する。「武豊町民会館の設置及び管理に関する条例(条例第15号)」、第9条(使用許可の取消等)3項に該当することとし、第15条(使用料の還付)を行なうこととなっている。まず、利用者と会館が情報を共有し、利用者の安全に配慮し混乱を最小限に止めることが必要である。