3月号 2011年度末事業
年度末になり、15日に本年度2回目となる運営委員会が開催され、平成23年度事業報告、平成24年度事業計画、そして24年度武豊町民会館予算概要が報告された。開館して7年になるが、公立文化施設の直営館として職員異動は避けることが出来ないが、予算の大幅な増減が無く安定した事業運営が実現できている。
また、2012年度事業概要が固まり、例年同様に活発な事業運営が期待できそうである。
24年度は会館運営にとって重要な指針である「文化創造プラン」の改定のための予算が確保され平成25年から10年間のプラン作成に取り掛かることとなる。文化施設・ホールを設置する自治体が多いにもかかわらず、その運営の指針となる事業実施プランを策定しているところが少なく、そのため施設・ホール運営が必ずしも満足のゆく状況にないのが残念である。
現状では、公立文化施設・ホールの約半数が指定管理制度を導入しているが、十分な事業予算が確保できず施設管理に重点を置いた運営となっている。しかし、中には意欲を持ったスタッフが色々工夫し活発な事業運営が実現できている施設が存在することが唯一の救いである。今後は、地域で文化施設・ホールに関わる者が連携し、情報を共有することで停滞した地域ホールの運営が活発になることを期待したい。
3月初旬に知多半島春の音楽祭のことが中日新聞紙上に取り上げられてから、大変大きな反響があり、運営にあたる運営委員会の業務に弾みがついている。今月になりホームページも立ち上がり、演奏提供が出来る演奏家と場所を提供する施設のマッチングイベントを開催する予定もあり、出来るだけ多くの演奏が開催できるよう努力したい。
年度末となる今月は、第2創造集団スイング・バンド武豊第9回演奏会があり、私も久し振りにトランペットを手にして第二部で演奏させて頂いた。バンドが創立して5年目となるが、1部ではメンバー自らが楽しむ企画で余裕を感じさせる内容であった。2部ではスタンダードジャズナンバーを手馴れた演奏で披露し充実した公演であった。今後の運営が大いに期待できる印象を強く持った。
さて、最近感銘を受けた言葉がりそれを紹介しようと思う。私が関係する日本音楽芸術マネジメント学会の川村理事長が紹介された言葉であるが、文化庁主催の国際シンポジウムで、シンガポール情報芸術大臣を20年務められた方からの話の紹介があった。
「コンサートホールは貧しい人からの社会に対する贈り物である。なぜならば、貧しい人たちも全て税金を負担し、ホールはその税金によって賄われているからである。ところが、肝心のその人たちがコンサートホールを利用する機会は少ない。」
私たち文化施設に関わる者は、このことを肝に銘じて事業運営を行わなくてはならないという思いを新たにした。