― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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9月号 飛騨高山文化芸術祭に向けて

今月15日、岐阜県高山市で行われた「文化芸術が薫るまち」市民フォーラムに出席し、基調講演「豊かな感性が人生を、そしてまちを変える」とパネリストを務めてきた。

高山市の國島長は、芸術文化の保存と継承、新たな創出のための予算枠を市の総予算の1%以上確保することを公約に掲げてまちづくりを進めており、その強い思いを「高山市文化芸術振興指針(平成24年7月)」の策定や「飛騨高山文化芸術祭(平成25年開催)」の実施で実現することとしている。

今回の芸術祭は、一過性のイベントではなく、高山市が有する地域資源等を活用し「誰もが身近に感じ、誰もが参加・行動する文化芸術祭」として、市民一人一人が主役になり、参加することで地域に新たな文化芸術が創造されることを目指している。

一般市民にとって文化芸術と言えば、とても敷居の高いように思われているが、文化芸術について、京都橘大学の小暮教授が次のように述べている。「文化は、受け継がれる文化としての生活文化と、芸術・学術・技術などの非日常的な創造する創出文化に分かれていて、芸術は創出文化のほんの一部を占めるに過ぎない。」つまり、日常的な生活文化の先端部分として、非日常的な芸術文化があるということである。そのような意味において、芸術は敷居が高いとか、取り組み難いとか構える必要はないということである。

今回の高山市の取り組みは、実行委員会の組織体制に多くの市民が参画し、開催の理念が活かされ「市民一人一人が主役となる文化芸術祭」が成功するだろうと考えられる。また、飛騨高山の伝統的な文化芸術に気づき、次代につなぐとともに、様々な刺激を受けるなかで発想が生み出され、あらたな文化芸術が創造されることが期待されている

高山市は長い歴史と伝統に支えられた地域文化があり、普段の暮らしの中に芸術が溶け込んでいると考えられ、豊かな感性に基づく日常文化があるので、まちを変える原動力があると思っている。

基調講演の中で「歩く文化を推し進め裏通りの魅力を高める」、「官民協働同で土地の美しさを演出する」、「市民と訪問者の交流スペースを設置する」、「若いクリエイターが活躍する雑貨店のような場を設置する」、「芸術祭に関わる有給スタッフを常駐させる」等々が必要であると申し上げた。

感動や共感することも感性であり、市民が豊かな感性を意識し行動していくことで、自らの人生をかえることが可能であり、住んでいるまちの在り方を変える大きな力を包摂していることを認識し、行政と協働して行動することが望まれる。