2014年 4月号 ゆめプラメイト総会アトラクション
本館は武豊町直営館のため毎年の人事異動が避けられず、本年度も管理・運営の要である事務長が定年退職し新事務長が着任したところである。今年度再任用者が1名本館に赴任することになったが、本館立ち上げに尽力し設立当初に事務長を務めた方なので、創立10年を経た本館の事業を評価して頂き、今後の運営のアドバイスを伺いたいと考えている。
また、昨年の地域創造大賞の受賞は、住民参加による会館運営を目指し、行政とNPOが一体となった会館運営を行っていることが評価されたものであり、引き続き事業の充実に務めたい。
さて、新年度事業はメイト総会に伴うアトラクションからスタートすることになるが、今年は名古屋芸術大学カンパニーワンによる「ザ・ベストテンコンサート」の公演が予定されている。ザ・ベストテンは、1978年~1989年に放映された音楽番組であるが、名古屋芸術大学ミュージカルコースの客員教授三原康博氏の指導により始まった公演である。
三原康博氏は美術プロデューサーとして、TBSで長年にわたり「ザ・ベストテン」の美術デザインを担当し、自らを「音楽を絵にする仕事」をするとして、その後の日本の音楽番組の構成に大きな影響を与えている。
次に三原康博氏が芸術の感性について興味深い対談を行なった記述があるので紹介する。
『僕は今、大学で講義をしていますが、美術学部ではなくて音楽学部の新入生に必ずやることがあるんです。その年の印象的な曲を3 つ選んで、20 分ずつぐらい聴かせ、その間に何でもいいから思いつくものを絵に表現させます。あとでその3 つの絵を並べてまた音楽をかけて「この絵はどの曲だかわかる?」と別の学生に聞くと、全部当てられるぐらい、その違いがちゃんと出るんです。
それが面白いということになって、美術学部でも取り入れたんですが、彼らの絵は面白くない。なぜかというと、曲を聴いてない。音楽学部は絵を描くテクニックはないけれど、一生懸命聴いている。曲のイメージをちゃんと聴いて、それらしく描こうとする。ところが美術学部は、まずどう表現してやろうかと、そっちから始まる。その場を利用して、自分を表現するきっかけにしようとしてしまうわけ。そういう学生に「ザ・ベストテン」をやらせたら、大ペケ。その曲からどんなものが生まれるかをこっちは期待しているのに、「おれの表現、どうだ」になっちゃう。(放送研究と調査 July2011)』
武豊町民会館では、毎年町内の小学校全校でアウトリーチを実施しているが、内容は音楽事業が大半を占めている。これは芸術を垂直型で捉えた展開と言えるが、今後は水平型で複合的な芸術を用いての感性教育が必要とされるのではないか。