2015年 8月号 2015夏
夏休みの鑑賞事業は子どものための公演が2本行われた。1本はシェイクスピア作品を分かりやすく演ずる「子どものためのシェイクスピア~ロミオとジュリエット~(8月2日)」、もう1本は2015ジョイントフェスティバル愛知による「小さな子どもと大人のためのベビードラマ~おうち~(8月26日)」公演である。
芸術と科学のハーモニー事業では、サイエンスレクチャーとして講演会と映画上映、CGクリエイター上坂浩光の世界「映像美で魅せる“宇宙とはやぶさ”」が行われた。特別企画として、武豊町に事業所がある日油株式会社(日本の全ての宇宙ロケット用個体推進薬を提供)の資料として、はやぶさ2の衝突装置が展示された。
現代アートの鑑賞事業2015として「藤本直明展~あなたの影が創り出す世界~(8月15日~23日)」2作品が展示され、体験型の作品は子どもたちに好評であった。
8月7日にあいちトリエンナーレ2016を来年にひかえ「あいちトリエンナーレ2016(愛知県立芸術大学、名古屋芸術大学、名古屋造形大学 の3大学による合同展覧会)~Sky OverⅠ~」が、アートラボあいち大津橋会場にてオープニング式典が実施され出席してきた。
テーマは「虹のキャラヴァンサライ創造する人間の旅」であるが、愛知県内の3芸術大学がテーマを意識しつつ、さらに各大学の境界を超えて合同で展覧会を実施するものであり、若いアーティストたちの飛躍をサポートするものとして期待されている。
8月25日は、日本芸術文化振興会の公演実地調査として、「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ2015」を訪ねた。4年に1回、半月にわたり開催される公開制作と展示による南砺市の代表的国際交流イベントである。海外と日本から12か国15人の招聘作家による作品制作が井波別院瑞泉寺境内で行われていた。
木彫作品の制作ということで、野外で原木から作品を完成させるプロセスを、地域住民や来場者とともに交流を深めながら行うものである。会場には様々なボランティアが活躍し、地域が一丸となって実施されていた。
南砺市は、2004年市町村合併により誕生した市で、その中でも井波は住宅の欄間や獅子頭、置物などの木彫作品を制作していた地域である。そのため、海外招聘作家に加え井波彫刻協同組合、井波美術協会も制作キャンプに参加していた。
会場前の門前町にある井波美術館を案内していただき「棟方志功とゆかりの作家たち」企画展を鑑賞した。棟方志功が昭和20年4月から6年間南砺市(旧福光町)に疎開し、当時交流のあった作家の作品と、地域で交流のあった方に贈った作品が展示されていたが、個人から提供された作品の色彩と構図が印象的であった。