― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2016年 3月号 会館組織の活動評価

館長就任9年目の年度末を迎え、会館組織の活動評価について述べることとする。本館では、運営委員会による武豊町文化創造プランに基づく会館の方向性審議と、会館で実施する事業ごとのアンケートにより評価を実施している。また、職員による実績報告書、事業委託を受けている特定非営利活動法人武豊文化協会(NPOたけとよ)によるアニュアル・レポート、そして館長によるアニュアル・レポートの作成により会館の管理・運営、文化振興事業について評価を行ってきたところである。

活動評価は、(社)全国公立文化施設協会から「劇場・音楽堂等評価ハンドブック~チェックリスト方式による劇場・音楽堂等の経営診断と改善への手引き~」の項目に基づき簡易に行うこととする。(なお詳細については実績報告書等のデータを参照)

(1)芸術文化促進機能について、本館は事業を4つの範疇(芸術鑑賞、人材育成、文化発信、交流・参加)に分けて実施している。バランスよく実施し、多くの町民に芸術文化に接する機会を提供している。アウトリーチ事業は町内の4小学校4年生を対象に実施しており、芸術家及び鑑賞者を育てる効果が認められる。

武豊町住民を対象とする体験・参加型鑑賞事業の低料金無料公演を多く実施し、あわせて近隣市町に公演提供を行っている。事業運営についてはボランティアスタッフのフロント対応に良い評価を頂き、芸術家及び公演関係者の活動しやすい環境づくりについて、高い評価を得ている。

(2)地域活性化機能について、住民が主体的に実施する芸術文化活動は、事務局職員スタッフと舞台関係スタッフの連携がとれ、利用しやすい場の提供が実現している。「Swing Band TAKETOYO」「武豊町民劇団TAKE TO YOU」が自主運営を行い、地域の子どもたちを対象とした「舞台芸術企画ゆめっぴ」による舞台公演と合わせ、住民の芸術文化活動の中心的存在として地域の活性化に寄与している。

低料金と無料による公演も数多く上演し、地域の芸術文化の底辺拡大に寄与している。事業情報は、「広報たけとよ」への事業紹介が月2回、「ゆめプラ通信」が月1回、「ゆめプラだより」の季刊発行、ホームページの充実など、さまざまな媒体を駆使し情報発信を行なっている。

町主催事業及び商工会等の主催する事業について、会館として最大限の協力を行ない、地元企業や商店と共に地域経済の活性化に貢献している 。

(3)経営機能について、事業を運営する上においてマーケティング(体系的市場動向調査)が重要であるが、販促による広告、宣伝の効果が必ずしも十分でない。収益に結び付く料金設定が困難な地域性のため事業の収支率は必ずしも高くなく、少なくとも席設定をうめる観客動員を目指し、入場率を高める取り組みが望まれる。

本館は小規模文化施設で、管理・運営を担う職員も少人数のため必要に応じ協議が可能で、スピード感のある運営が実現できている。管理経費については不用な支出を抑え、適切な支出に務めており、施設の維持管理が計画的、効率的に行われている。