― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2017年 12月号 北名古屋市民音楽祭

今年で12回目となる「北名古屋市民音楽祭」が開催された。平成18(2006)年旧師勝町と西春町が合併し、北名古屋市が誕生してから北名古屋市文化勤労会館を会場として実施してきた。合併前は「西春音楽祭」として11回実施し、今回で通算23回目となる。

第1回目から音楽祭の運営を実行委員会方式としたため、当時オーケストラの設立に関わった私が実行委員長を務めることとなった。実際は地元にある芸術系大学の教員ということで引き受けることになった。北名古屋市は名古屋市に隣接し、交通の良さからベットタウンとして発展してきたが、最近は名古屋市との合併が検討されているとの報道がされている。

市民の間では日頃から音楽活動が盛んで、少年少女合唱団、女声合唱団、混成合唱団などに加え吹奏楽活動も行われている。中でもオーケストラは文化勤労会館が開館された当時から活動を始め創立24年になる。

音楽祭は、昨年まで各団体がそれぞれ得意とする演奏を行い、ゲストを招聘して公演を行ってきたが、今回は3部構成とし、市内中学校の吹奏楽部と一般吹奏楽団体による合同、合唱は複数団体による合同演奏で、総出演団体は16団体になった。

オーケストラは、公演の始まりから終了まで司会進行を担っていただいた声楽家をソリストにオペラカルメンから5曲を演奏した。
同様の音楽祭は各地で開催されているが、主催が市教育委員会と音楽祭実行委員会で、特に各団体から参加している実行委員が積極的に実施に向けた協議を重ね、舞台設営からチケットやプログラムの製作、配布、そして入場券販売まで担い演奏だけにとどまらず音楽祭全体の運営に関わることは稀である。

各団体にとって、音楽祭制作プロセスが活動にプラスになり、他団体と合同演奏を行うことで新たな創造性が生まれ、継続した活動が可能になると考えている。日常の運営実態の異なる団体が一緒に行動することは、日程調整や練習場所の確保等物理的な困難を伴うが、地域文化の向上のためには必要なことである。

本来であれば行政が企画し、そのスケジュールに従って公演を実施することが一般的であるが、自らが企画し運営することで実施後の反省も実感でき、毎年続く音楽祭への取り組みが向上すると考えている。
団体の代表である皆さんは、実行委員会に参加し音楽祭の運営に関わり自らの所属団体の演奏技術的向上や、質的充実に努めているが、アマチュアである以上演奏能力向上のほか音楽を通じた交流を豊かに発展させることが求められている。

音楽祭公演前に、武豊町民会館で名作映画鑑賞会があり「オケ老人」を鑑賞した。目指す方針が異なる2つのアマチュアオーケストラの物語であるが、音楽の本当の楽しさを追求する2つの方向性の違いを興味深く鑑賞した。