2017年 2月号 知多半島春の国際音楽祭2017
1月28日のセントレアにおけるオープニングで「知多半島春の国際音楽祭2017」が開会した。3月12日までの44日間にわたって311公演が実施される。開会に至るまでの事務局及び実行委員会の作業は多忙を極め、音楽祭がスタートして少し肩の力が抜けているように感じている。それでも各会場で実施される公演に問題が生じないか、緊張の日々を過ごしている。
2月18日、19日にはイオンモール常滑で17公演が実施され、19日には名古屋芸術大学ミュージカルコースによる2回のステージが行われた。事前にステージの案内を兼ねてフラッシュモブ的なパフォーマンスでお客様を案内したため、満席の中での公演となった。
この2日間は武豊、常滑のほか半田市でも半田赤レンガ建物で多くの公演が行われ、音楽祭会期中で最大の公演数となった。また、美浜町を除く9地域でキッズプログラムが実施され、音楽を身近に体験していただく目的が果たされていると考えている。
3月12日にはファイナルコンサートが知多市文化勤労会館を会場に、5市5町で行われた音楽公演の最後にふさわしい内容の公演を予定している。武豊町では6本の特別プログラムが終了したが、まだゆめたろうプラザを会場とする公演が多数あり、引き続き地域の方に鑑賞に足を運んで頂くよう期待している。
私が長年にわたって文化振興行政に関わりを持ってきた小牧市において、2017年度から文化振興を目的とした文化財団が設立されることになった。小牧市は小牧山城など固有の歴史や文化を持つ自治体であるが、文化施設や社会教育施設が市内に点在していたため、なかなか統一感を持った文化振興が行われていなかったことから、今回「こまき市民文化財団」設立の運びとなった。
理事会は山下史守朗市長が理事長、私が副理事長となり10名の理事、10名の評議員で運営にあたることとなった。小牧市は愛知県内の他市町同様、地域に根ざした文化協会加盟団体の活発な活動が行われている。また、貴重な収蔵作品を市民に展示するメナード美術館や、定期演奏会のほか市内小中学校でのアウトリーチ事業を積極的に行っている中部フィルハーモニー交響楽団がある。
設立目的にある「市民とともに新しい時代にふさわしい小牧市の文化を創る」の実現のため、専門職員を配置し、事業、施設運営、広報営業、総務などの組織体制を充実させ、市民のための文化財団を目指すことになるが、人口15万人の自治体にプロのオーケストラが存在することが大きな力になると考えている。
私の記憶では、戦後間もないころ高崎市に誕生した群馬交響楽団が、高崎市と群馬県で活動し地方の音楽文化に多大な業績をあげた例が思い出される。文化芸術の核になる団体としてのオーケストラの役割は大きく、文化芸術全般に貢献することを期待している。