2018年 8月号 猛暑の8月
今年の夏は例年になく猛暑の日が続き、施設の冷房にかかる経費が膨らんでいる。事業が順調に推移し2つのホールが同時に稼働することが多いことが影響しているようだ。施設内の体感温度は季節により変化し、年齢によって感じ方が異なり、その対応に苦慮することが多くなってきた。以前からひざ掛けを用意し必要な観客にはあらかじめ入場の際に貸出しているが十分ではない。
8月は平年より多く台風が発生し、公演の実施が危ぶまれることもあったが、幸にも大きな被害が無く順調に運営できていることに感謝している。9月は本格的に台風シーズン到来となるが、引き続き被害が出ないよう願っている。
今月は2019年度に愛知県で開催される2つの事業について報告があったので紹介したい。1つは「第70回全国植樹祭」について、植樹祭の式典演出について行事概要が決定したことである。
式典は2019年6月2日(日)に尾張旭市にある愛知県森林公園を会場として実施されるが、プロローグアトラクション、大会テーマ表現において、名古屋芸術大学が演奏やダンスで協力することになっている。
もう1つは「あいちトリエンナーレ2019」について、県実行委員会が地元芸術団体との共催事業として実施する舞台芸術公演に名古屋芸術大学のプログラムが選考されたことである。今回募集した公募プログラムは、芸術劇場コンサートホールが3公演、小ホールが8公演、名古屋市芸術創造センターが4公演である。
名古屋芸術大学公演はテーマ、コンセプトにそって、とても長い公演名となっている。ドラマチック・ミュージカル・コンサート~ジャパネスク・ワンダーランド~「情」に彩られた古(いにしえ)の風景への旅~振り返れば、そこには未来がある(仮称)である。
芸術劇場小ホールでは、時代を反映するコンテンポラリーダンス系が多く選考されているが、これは愛知県芸術劇場がダンス中心のプログラムを意識して取り上げてきたことが影響していると思われる。
一方で、今年度、若手芸術家の育成を目指す文化庁委託事業において「これまで採用され続けてきたコンテンポラリーダンスの団体が、今年初めて一つも対象に選ばれなかった。新たな時代の身体表現として脚光を浴びていたはずのジャンルに、なぜいま逆風が吹いているのか」と朝日新聞が記事として取り上げている。
ダンスを取巻く状況は、従来の公演形態に加え、映像や音楽、美術分野とのコラボレーションにより、ダンスそのものの存在が弱まっているとの指摘もある。ダンスに限らず舞台芸術の今後を注意深く見てゆくことが必要と感じている。