2019年 1月号 知多半島春の国際音楽祭2019
1月26日中部国際空港セントレアで「知多半島春の国際音楽祭2019」のオープニングセレモニーが行われ、いよいよ音楽祭がスタートする。3月10日までの44日間に189公演が予定され、今回は一般公演に加えキッズプログラムや観光関連プログラムが同時開催される。
今回で4回目となるが多くの課題が明らかになっている。知多半島5市5町が連携して開催する音楽祭となっているが、それぞれの自治体で取り組みに温度差があり、実行委員会の組織化や運営に影響が出ている。
活発な運営が確認できる市町がある一方で、極端に開催数が少ない市町もある。新たな施設の建設があるところで、実行委員の中に関わりを持つ方がいる場合は、特色ある公演を実施する姿勢が感じられる。しかし、ホールと実行委員会の連携を含め、取り組みが低迷している市町もある。
武豊町は実行委員会が独自の企画で6本の有料公演を予定しているが、いずれもチケット販売に苦戦している。唯一フライングドクターによる入場無料の「4人で奏でる小さなオーケストラ~ファミリーコンサート~」の2回公演は満席となり、キャンセル待ちの状況となっている。
「小曽根真ソロライブ」や「双子の山田姉妹のソプラノ・デュオ・リサイタル」など、よく知られ映像の露出も多いにもかかわらず販売に苦戦している。料金も手ごろに設定しているが、ジャンルに興味をもつ方が少ないのではないかと考えられる。合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」は、合唱に出演する参加者が入場券の販売に協力することから期待が持てる。
小編成のための響きホールでは「パトリック・ガロワ フルート・リサイタル」「ツインヴォーカル・ジャズユニット」は、近くで鑑賞できるにもかかわらず販売が芳しくない。地域のニーズが無いと言ってしまえばそれまでだが、実行委員会が企画した公演に興味を持っていただき、足を運んで頂くよう努力したいと考えている。
なお1月20日には、名古屋芸術大学ホールで声優アクティングコースの1年生修了公演があった。内容は、声優事務所に所属する若者たちの、喜びや悲しみ、葛藤などを、学生たちが等身大で演じ、劇中ではデザイン領域専攻生が制作したオリジナルアニメーションの生アフレコを披露するもので、声優のイメージを新たにするものであった。
実際には、舞台を運営するエンターテインメントディレクション&アートマネジメント コースをはじめ映像や音響のコースの協力を得て、総合的に舞台を展開でき舞台芸術の可能性を感じた。