― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2019年 8月号 「音楽、芸術系大学の名称について」

本館で公演を行う音楽実演家のプロフィールには、海外の音楽大学に学び卒業したことの記載がある。従来から芸術系大学は音楽系単科大学と美術系単科大学として設置されていた。最近は美術からデザインが独立し、理系分野と連携するなど社会ニーズに対応して大学や学部名称が変化している。

大学の世界ランキングでは、 音楽や舞台芸術分野において第1位はジュリアード音楽院、第2位はウイーン国立音楽大学となっている。我々が普段使用する大学名は、音楽については音楽大学、美術については美術大学の名称を使用するが、最近の欧米の芸術系大学名称が下記のようになっている。

ジュリアード音楽院は「The Juilliard School of Music」から「The Juilliard School」に名称が変更され、現在は音楽部門、舞踊部門、演劇部門で成り立っている。ウイーン国立音楽大学は「Universität für Musik und darstellende Kunst Wien」音楽と舞台芸術のための総合芸術大学となっている。

オーストラリアでは、モーツアルテウム音楽院がザルツブルグ・モーツアルテム大学となり、音楽と舞台芸術のための総合芸術大学として運営されている。隣国ドイツの芸術系大学は、ホッホシューレとして単科大学とされていたが、2000年以降の有名音楽大学はハンブルク音楽・演劇大学、ミュンヘン音楽・演劇大学となっている。

イギリスにも有名音楽大学があるが、ギルドホール音楽院が音楽演劇学校として運営されている。フランスでは国立の高等音楽院がパリとリヨンにあるが、現在の正式名称はパリ国立高等音楽・舞踊学校となっている。

芸術大学という名称は、美術や造形芸術、写真、映像、音楽など美術と音楽の両方の学部を持つ大学を言うが、ドイツには3つの芸術大学があり、ベルリン芸術大学がヨーロッパで最も大きな規模の大学として運営されている。

以上のように私たちが理解していた芸術系大学、とりわけ音楽大学と呼ばれていた大学名称が「音楽舞踊大学」「音楽演劇大学」「音楽・舞台芸術大学」となっていることに驚かされる。これは、専門性を超えた芸術の融合が進んでいることを意味している。

「舞台芸術」という括りの中に全ての芸術分野が入り、実演家がそれに合わせて活躍する時代がすぐそこに来ているように感じている。あらためて芸術が社会に成立する4つの要素である「創造」「享受」「教育」「分配」を考えた場合、大学教育における枠組みが変化することで、新たな創造を生み出し、享受者のニーズに応えることが可能となり、それに呼応した分配であるマネジメントが必要とされるのではないか。

本館の事業企画、運営において芸術分野からの発想に加え、大きな舞台芸術としての括りで俯瞰してゆくことが必要となってくると考えている。