― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2020年 4月号 「新型コロナウイルスによる影響」

新型コロナウイルス感染の拡大が止まらず、全国の文化施設や舞台芸術関連団体で公演の中止や延期が続いている。国が4月7日に緊急事態宣言を発令したことによって各自治体が相次いで住民の外出自粛や飲食店への営業自粛を要請した。

本館では4月、5月に開催を予定していた武豊町及び武豊町教育委員会主催の事業について、延期、あるいは中止とすることになり、現時点では5月12日(火)から会館施設の利用を再開する予定となっている。

7都府県に出された緊急事態宣言に組み込まれなかった愛知県は、対象に加えるよう国に訴え16日に「特定警戒都道府県」に位置づけられることになった。愛知県は同日に新型コロナウイルス感染症「愛知県・緊急事態措置」として「休業協力要請」について通知を出し、基本的に休止を要請する施設に、劇場、集会・展示施設、文教施設を対象として4月17日(金)から5月6日(水)を要請期間としている。本館も対象施設となるが、現在までの事業の中止や延期、施設の貸し出し対応について特に混乱なく推移している。

一方で文化施設を利用して公演を担う実演家の状況について報道されることが少ないが、日本クラシック音楽事業協会は740公演が中止になり、被害総額が24億円を超えるとして、3月16日に事業者及び実演家の損害に対する補償や無利子融資などの救済対策を、文部科学大臣と経済産業大臣に要望書を提出した。

私の所属する日本音楽芸術マネジメント学会では、文化庁に対して舞台芸術分野への影響について次の3点を要望している。(1)舞台芸術関連の諸団体、企業に対する支援、(2)フリーランスの専門的な職能者に対する支援、(3)現場の要望を反映した施策の策定である。

特にフリーランスについて、特定の団体・企業等と直接的な雇用関係を有していない実演家が殆どで、業務である演奏を提供してその都度報酬を受け取る状況が長年続いていて、支払いが現金から銀行振り込みに変わったぐらいである。

舞台芸術分野において雇用関係を締結し仕事をしているのは、プロオーケストラ団員や一部のプロ吹奏楽団体の団員だけで、実演家の多くは回数や期間を限定した契約で就業している。

音楽だけでなく舞台芸術に関わる実演家は皆同様な状況に置かれており、公演が実施されなければ収入が途絶えることになる。この分野においてフリーランスの実演家の果たす役割はとても大きなものがあり、今回の休業協力要請におけるダメージが最小限にとどまり終息後に活躍できるよう願っている。