― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2021年 8月号 「コロナ後の事業展開」

7月末から全日本吹奏楽コンクールの地区予選が始まり審査員を務めた。昨年はコロナウイルスの感染により中止となったが、今年は岐阜県においては映像審査で、愛知県はホールで無観客の演奏審査を実施した。

愛知県は例年と異なり感染対策強化のため、課題曲演奏を伴う1団体の演奏時間を12分から10分に短縮し、演奏終了後に舞台や椅子、譜面台等の消毒を行い、時間的間隔をとって次の団体が入場し、舞台上で1分半の音出しを実施して演奏を行うため1団体の所要時間が通常より5分多い20分になった。

それでも実際に舞台で演奏ができることで、生徒の元気のある表情を感じ取ることができた。コロナ感染症の終息を見通すことができないが、これからはできるだけ事業を実施するために感染対策を講じて行うことになると思われる。

8月になり愛知県文化芸術課の職員が意見聴取のため来訪した。2018年の愛知県文化芸術振興条例の制定後に策定した「愛知県文化芸術計画2022」の年次報告書についてである。私自身文化芸術計画の策定に有識者委員として参加し、いろいろ意見を述べさせていただいた。

計画には3つの基本目標「(1)世界・未来への“愛知発”の創造・発信 (2)県民が等しく文化芸術に親しむことが出来る環境の整備 (3)愛知の文化芸術のポテンシャルを活かした地域力の向上」があるが、愛知県として可能性がありながら最も取り組みが遅れている(1)について意見を述べた。

愛知県は、文化的、財政的に豊かな自治体でありながら、東京や大阪、京都に比べ発信力が弱く残念な思いがある。来年「あいちトリエンナーレ」が国際芸術祭「あいち2022」として開催されるが、大いに期待している。

組織委員会会長に大林組の大林剛郎氏、芸術監督に森美術館館長の片岡真美氏が就任し、民間の力を取り入れ、本当にマネジメント能力のある人材が登用されたことで、2010年から4回開催された「あいちトリエンナーレ」とは異なった発信が出来そうである。

今回、国際芸術祭の主な会場に名古屋、一宮、そして常滑が発表され、絞りの鳴海・有松、織の一宮、陶の常滑として、地元の特色や歴史が融合した展開になると考えている。(3)の地域力の向上では、文化芸術振興に係る計画を策定している県内市町村が54市町村中16にとどまっているが、計画では現状より増やすことを考えていて、2020年度年次報告では19市町村になる予定である。

まだ未策定の自治体は、文化芸術の振興が、文化創造プラン等の計画を策定することで実施が容易になり、地域の活性化につながることを認識し、担当課において積極的に取り組むことを願っている。