2023年 8月号 「新しい演奏の形」
春の音楽祭2023の「光ヶ丘女子高等学校」の公演は、大変好評で満員の観客を魅了する演奏会になった。過去の演奏会において、吹奏楽団体の公演企画はいつも人気があり、観客の満足感を感じることができる。
過去には自衛隊音楽隊や愛知県警察音楽隊の公演が実施されたが、いずれも人気があり入場券の配布に多くの方が申し込まれ、抽選で入場券を手に入れた方が喜んで来場されていた。
今月はモーニングコンサートのプレとして、愛知工業大学名電高等学校吹奏楽部が、「サマーコンサートin たけとよ」として演奏会を開催したところ、満席の中、期待通りの演奏を披露していただいた。
2校とも吹奏楽分野では、全国的に評価されている有名な高校で、毎年吹奏楽コンクール全国大会出場の常連校である。コンクールは吹奏楽の甲子園と言われ、夏休みを練習に費やし全国大会出場を目指している。
吹奏楽コンクールは、中学校、高等学校、そして大学・職場・一般の分野に別れ、10000団体以上が参加し、それぞれの地区大会、県大会、全国11の支部大会を経て全国大会に出場することになっている。
全国では中学校、高等学校のエントリーが4300校で、最終的に高等学校では30校が全国大会に出場する。この地域の東海支部大会は愛知県、三重県、岐阜県、長野県、静岡県の5県の代表により行われる。
東海支部から全国大会出場枠は3校であり、光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部と、名電工吹奏楽部は毎年東海支部大会を勝ち抜き全国大会に出場する常連校であり、全国大会で金賞を獲得するトップクラスの団体である。
今回、武豊町民会館で行われた2校の公演は、全国レベルの演奏であり鑑賞された皆さんは、大変貴重な経験をされたと考えている。2校とも地域での社会貢献に力を入れており、コンクール以外で演奏されることを快く引き受けていただいた。
私自身も中学校で吹奏楽を経験し、大学も音楽系大学に進み、念願のプロ演奏家としてオーケストラの演奏者として活躍したことから、吹奏楽の演奏を聴くといまだに懐かしい思いがこみ上げてくる。
以前は演奏会では座奏で演奏するだけであったが、最近は前舞台を利用し、ダンスや歌を披露する形態が定着し、聴くだけでなく見た目も楽しめる公演が増えている。もう一つ吹奏楽はマーチングでのコンクールも活発になっている。
機会があれば鑑賞することを薦め、あらたな吹奏楽の魅力を感じていただけると考えている。