― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2023年 11月号 「久しぶりの上京」

竹本義明

先月30日に久しぶりに東京に行ってきた。コロナ感染症の流行で、この2、3年は名古屋を出ることがなく新鮮な気持ちで上京した。目的は2つあり1つは「しらかわホール存続の会」の活動について、日本オーケストラ連盟を訪ね協力を依頼することである。

桑原 浩専務理事、竹内 淳事務局長、望月正樹事務局次長に会い、しらかわホールの現状を説明し、存続のための活動に全国のプロオーケストラが加盟する、オーケストラ連盟に協力をお願いし快く賛意をいただいた。

当日のスケジュールは、名古屋ウイーン・クラブ代表の服部吉男さんが準備されたが、もう一人佐竹康峰日本将棋連盟常務理事が同席した。以前に2、3度お会いしたことがあり、当時は公益財団法人日本オペラ振興会(日本オペラ協会、藤原歌劇団)理事長であった。
佐竹さんは現在藤井ブームに沸く将棋界の立役者として活躍している方である。

午後からは、指揮者の外山雄三氏が7月に亡くなり、お別れの会が予定されており、サントリーホールブルーローズに出席した。NHK交響楽団、大阪交響楽団そしてヒラサ・オフィスが発起人となり執り行われた。

当日、旧知の演奏家と久しぶりに会うことができ、当時の演奏活動を懐かしんだ。また。受付でNHK交響楽団の事務職員である名古屋芸術大学の卒業生の宮崎君と会うことができ、卒業生の活躍も目にすることができた。

お別れの会は、外山雄三氏のもとで仙台フィルと大阪交響楽団でコンサートマスターを務めた森下幸路氏が、外山氏のバイオリンとピアノのソナタ第3楽章を演奏し、当時のエピソードを話された。

続いて、作曲家池辺普一郎氏や指揮者の尾高忠明氏が追悼の言葉を述べられ、外山先生に長い間指導を受けた広上淳一氏は、当時を振り返り多くのアドバイスにより現在の自分があるという感謝の言葉を述べられた。

私が在籍した名古屋フィルハーモニー交響楽団では、1981年から1987年音楽総監督、常任指揮者を務め、当時テレビのオーケストラ出演番組が「題名のない音楽界」だけであったが、中京テレビで「ファンタスティック・オーケストラ」を実現し、名古屋フィルハーモニー交響楽団を名古屋市民の間に認知度を上げた功績は大きいと考えている。

今振り返ると6年間一緒に演奏に従事したが、外山先生はとにかく練習時間が短く、うれしい反面楽団員が責任を感じることが多かった。芸術家であると同時に職人の要素を持ち、決して音楽に溺れることなく冷静に演奏に臨むことを求められた。