― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2024年 10月号 「吹奏楽の魅力」

竹本義明

昨年から高等学校吹奏楽部の公演を実施したところ、大変多くの入場者があり、チケットの前売り販売も驚くような売れ行きであった。率直にここまでチケットが早期に完売するとは思っていなかった。

今までに自衛隊吹奏楽団の公演を行った時も、入場無料のチケット配布は申し込みが多く人気があった。理由は良くわからないが、演奏内容に一定の信頼があり、プログラムも知られている曲目が多かったことが理由かも知れない。

クラシック音楽を演奏するオーケストラは芸術性を強調するため、敷居が高いと感じる方が多く会場が満席となることが少ない。このような状況は、演奏団体がプロフェッショナルか、アマチュアであるかは関係が無いように感じている。

現在まで、2023年2月25日に「武豊春の音楽祭2023」で光が丘女子高等学校吹奏楽部、8月16日に「名電コンサートinたけとよ」として愛知工業大学名電高等学校吹奏楽部が公演を行った。そして2025年3月16日「武豊春の音楽祭2025ファイナル」として、京都橘高等学校吹奏楽部が演奏する予定となっている。

光が丘女子高等学校、名電高等学校、どちらも吹奏楽コンクール全国大会出場の常連校であり、演奏のレベルは定評があり、当日の観客は迫力ある演奏に満足したことがアンケートから確認することができる。

一方、今回の京都橘高等学校の吹奏楽部は、吹奏楽連盟が主催するマーチング全国大会の常連校で、海外まで活躍を広げており、吹奏楽団体の通常の着席演奏のみならず舞台を華やかに展開する演奏スタイルが評価されている。

現在、全国の吹奏楽団体は13,000団体を超え、10,000団体が中学生、高校生である。吹奏楽人口が500万人とも言われ、加盟団体はスクールバンドが圧倒的に多く、世界的に見ても日本の吹奏楽の特徴となっている。

このようなコンクールの実施により、日本吹奏楽の演奏技術レベルは飛躍的に伸び、全国各地で地域格差のない演奏が実現できていることは素晴らしいことである。私自身も中学から吹奏楽を始め、高校、大学とトランペットを演奏し、吹奏楽活動を行ってきたものとして、発展に驚いている。

2012年度11月号の館長便りで「諸外国の吹奏楽の楽しみ方として、老若男女が一同に集まり気軽に音楽を楽しむ活動があるが、日本では演奏の質やレベルを追い求める意識が強く、気軽に楽しむことが少なく今後の吹奏楽活動の課題であろう。」と記載したが、いまや視覚的にも楽しめる演奏が増えてきている印象がある。

京都橘高等学校吹奏楽部は、新しい吹奏楽の楽しみ方の可能性を展開してくれるものと期待している