― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

ゆめたろうプラザ

2025年 5月号「ご縁、忘るべからず」

籾山 勝人

4月に新社会人になられた多くの皆さん、1ヶ月が経ちました。想像していたとおりの職場、仕事内容でしたでしょうか?

私もゆめたろうプラザに来て1ヶ月、初心を忘れずに劇場の「仕事」を再確認と再認識した1ヶ月でした。

「初心、忘るべからず」よく耳にするフレーズです。何事においても、始めた頃の謙虚で真剣な気持ちを持ち続けなければならない戒めの言葉として知られています。

室町時代の能楽師「世阿弥」が唱えた言葉であり、伝統芸能の「能」をご覧になった方もいると思われますが、今ある様式美を完成させたひとりです。

社会人1年目の謙虚で意欲ある気持ちのみならず、世阿弥は「人は常に失敗することから学び成長するもの」、要は初心時に事起きた失敗を忘れずに次に活かす事が肝心とも説いています。

私も幾度となく失敗を繰り返してきました。劇場に携わり40年ほどになりますが、民間時代の初日は大遅刻。某劇場で外タレ(外国のアーティスト)ロックコンサートがあり、先輩方にご迷惑をかけました。この失敗があり、それから何十年も遅刻はありませんでしたが、3年前から教鞭を取る某大学の初日で乗車する電車に乗り間違えて遅刻。

2度あることは3度あるなんて諺もあることから、先の「初心、忘るべからず」を思い出し、武豊町民会館ゆめたろうプラザ初日は早めに家を出て、遅刻する事もなく淡い緊張感で1日を終えました。

この1ヶ月間は、ゆめプラサロンコンサートで旧知の演奏家と再会。ヴァイオリンデュオとピアノで観客を魅了。

翌週はロケットの打ち上げ大会、初体験でした。ゆめたろうプラザは企業連携が進んでおり町内企業の日油(株)様(ロケット燃料等を製造)の協賛で開館時から行う芸術と科学のハーモニー事業の一つです。

その翌週はゆめプラメイトの総会と演奏会。演奏家は私のもう一つの拠点劇場「長久手市文化の家」近くの芸術家でした。何かご縁を感じます。

そして、文化協会の方たちやモーニングコンサートの実行委員会の方たちとお会いし、地域住民が劇場に関わり文化を紡いでいる「地域劇場のあり方」をこの1か月で実感しました。

初めてお会いする地域の方たちの「ご縁、忘るべからず」を胸に秘めて。