― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

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2026年 6月号「生活に欠かせない大切な灯り」

籾山勝人

古代から現代において、辺りを照らす最大の灯りといえば太陽です。太陽光に勝るものはありません。

舞台を照らすには、エジソンが電球を発明した147年前(1879年)までは、本火を灯すのが主流でした。地方に残る芝居小屋(歌舞伎小屋)では、今も当時の燭台(ロウソクを立てる台)が舞台前に並んでいたりします。また、自然光(太陽光)を取り込むために上部の戸板を開閉して舞台上に光を入れていたそうです。今は、ハロゲン球のライトやLEDのスポットライトが吊られ、古い建物に現代の機器を使用するなど、新旧の対比が面白くもあります。

30年以上前の話しですが、津軽三味線を全国に広めた名手、初代高橋竹山(1910年-1998年)の照明を手掛けたことがあります。

竹山先生は、幼少期に失明され、耳をたよりに舞台公演を続けてこられました。楽譜を見るわけでもなく、今でいう『耳コピ』で、ひたすらバチ(三味線を弾く専用の道具)を動かし、観客を津軽の原風景に誘っていきます。その舞台を明治初期の芝居小屋の雰囲気で再現したく、地方の芝居小屋から燭台をお借りして、少しの風では消えず数時間灯し続ける美濃の和蠟燭で舞台を作りました。さすがにロウソクの灯りだけでは暗くて、観客席からはバチさばきが見えないので、現代のスポットで補助光を点けましたが、ロウソクの揺らぎが何とも言えない幻想的な舞台になりました。

さて、現在の劇場における舞台照明は、ハロゲン電球が主流です。LED(発光ダイオード)が発明されてからは、LEDスポットライトが一部の劇場で使われていますが、高価なため、躊躇される劇場が多いように思えます。そんな中、関東地方の横須賀芸術劇場の窮状が飛び込んできました。担当者に問い合わせたところ、2年間の改修工事を終えて今年の9月にリニューアルオープンするのですが、その期間中に大ホールで使用しているスポットライト(2000W)の電球が製造中止となり、今ある電球の在庫が切れると使用できなくなるとのことでした。新たにスポットライトを購入しようにも受注生産のため、オープンには間に合わず、全国の劇場に「2000W相当のスポットライトを譲っていただけないか」と呼びかけているとの事。

家庭用の一般照明器具(蛍光灯等)は、2027年までに製造が中止され、LEDが推奨されています。舞台用のハロゲン電球とイカ釣り船用のハロゲン電球は、当面、製造中止からは外されていましたが、先の事態があり、劇場側も対応を考えていく必要がありそうです。

以前、中津川市で開催されていた野外フェスティバルの「ソーラーブドウカン」では、ソーラーパネルで太陽光を蓄電して、2日間のすべてのコンサート会場の照明、音響設備を太陽光だけで賄っていました。 劇場もかつてのように太陽光や本火に頼る日が来るかもしれませんね。