― 芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」武豊町民会館 ―

ゆめたろうプラザ

芸術と科学のハーモニーを奏でる「創造の丘」

ゆめたろうプラザ

2013年 5月号 新たなホール像を描く周年事業

2014年は武豊町民会館(ゆめたろうプラザ)が設置されて10周年となる。これからの10年を考えるのは気が早いと感じられるが、今後ゆめたろうプラザがさらに発展するには、観客が求める公演の実現と、住民が求めるサービスを提供することが必要と捉えている。

それには、常に新しいニーズを生み出す機動力と変化への柔軟な対応が求められ、実際の事業運営において如何に実現を図ることが出来るかが課題である。
過去の事業実施の評価について、(社)全国公立文化施設協会から、平成25年度「劇場・音楽堂等評価」ハンドブック「チェックリスト方式による劇場・音楽堂等の経営診断と改善への手引き」が出されたので、それを活用する。

内容は芸術文化促進機能、地域活性化機能、そして経営機能に関する3つの質問でチェックできるよう、それぞれ5項目の質問項目が用意されている。これらの質問チェックについて、正確な分析が可能な数値的資料が整えば、アニュアルレポートで分析し現実を把握したいと考えているが、今回は、質問にそってゆめたろうプラザの運営を振り返り改善の方向性が確認できれば十分と考えている。

芸術文化促進機能では、多くの住民に芸術文化公演を企画提供し、芸術家並びに鑑賞者を育てる活動を行い、経験を積むことにより鑑賞者や公演関係者の環境整備に努めた結果、鑑賞者、公演関係者の満足度が向上していると言える。

地域活性化機能では、施設が利用しやすいよう支援し団体への支援も活発にしている。同時に底辺拡大のための工夫、情報の発信を効果的に行なっているが、地域の経済活性化を図る顕著な事例は承知していない。経営機能として、十分とは言えないが行政、議会等に対して館の存在意義を高め、館の運用資金面から経営安定化に努めており、事業収益を高める工夫を行っている。人事組織面において特に問題を抱えている訳ではないが、職員の増員による施設管理の充実、事業運営を担うNPO法人職員の待遇改善を実現することにより、業務遂行のモチベーションを保つ必要がある。また、施設の資産価値維持のため、一定の資金確保も必要となっている。

これから創立10年の周年事業を企画することとなるが、あらためて鑑賞者や利用者は誰なのか定義づけし、それぞれのカテゴリーに分け、以下の3つの項目について検討し、新たなホール像を明確にしたいと考えている。 (1)鑑賞者の満足度は何を持って満足するのか。(2)今後の事業を展開する中で、最も潜在力の高い利用者のセグメントとは。(3)利用者や住民は会館をどのように見ているのか。そして、前述の「劇場・音楽堂の活性化に関する法律」が施行に関連して、大学を活用した文化芸術イノベーションに新規支援が設けられたこともあり、特に芸術系大学との連携を実現することにより展望が拓けるのではないか。